個人輸入と商業輸入について
中国から商品を仕入れる際に無視できないコストとして「関税」を挙げることができます。
中国輸入は大きく「個人輸入」と「商用輸入」に分けることができ、それぞれ掛かる「関税」も異なります。
この記事では「個人輸入」と「商用輸入」に着眼点を置き、それぞれの違いを詳しく説明します。
線引きを理解することで正しく「節税」することが大事です。
1、個人輸入とは
個人輸入とは、外国の製品を個人で使用することを目的として海外の通信販売会社、小売店、メーカーなどから、個人が直接購入することを指しており、法令上の定義はありません。
ポイントは「個人で使用することを目的」で、販売することや誰かにあげることはできません。
個人輸入の際は次のシチュエーションを想定することができます。
1:直接外国の通販サイトで注文
2:さくら代行のような輸入代行業者を通じて輸入する
3:輸送方法としては、EMS、クロネコヤマト国際便、佐川国際便などを利用する
2、個人輸入の課税状況
個人輸入は「免税」という優遇措置があります。商業輸入にはありません。
1、免除となる場合
課税価格(商品本体価格×60%)が1万円以下の物品の場合、関税及び輸入消費税が免税されます。
つまり、個人輸入の場合は、商品本体価格が16,666円以下であれば、原則として関税、輸入消費税とも免税となります。
個人輸入の場合、課税価格に海外運賃や保険料は加算されないので、商品価格だけで免税になるか否かを判定できます。
まとめ:商品本体価格が16,666円以下の場合、原則として関税及び輸入消費税は免税
2、免除の例外
革製のバッグ、パンスト・タイツ、手袋・履物、スキー靴、ニット製衣類等は課税価格が10,000円以下でも関税の免除対象とはなりません。
※ 個人使用目的、かつギフトとして贈られたものである場合は免除されます。
3、課税となる場合
免除の範囲を超えた場合、関税を支払う必要があります。
関税の計算方法は課税価格の合計額によって異なります。
課税価格の合計額が1万円以上、20万円以下の場合:簡易税率
課税価格の合計額が20万円を超える場合:実行関税率
参考簡易税率表(一部抜粋)
品名 |
税率 |
衣類及び衣類付属品など (メリヤス編み及び クロセ編みのものを除く) |
10% |
プラスチック製品、ガラス製品、 卑金属製品、玩具 など
|
3% |
ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼・すず製品 など |
無税 |
その他のもの |
5% |
※関税率が無税の場合、関税は0円になりますが、輸入消費税は課税されます。
参考記事:輸入消費税は控除できます。
※簡易税率とは、20万円以下の少額の輸入貨物の通関の際に適用される簡易な税率のことです。
※実行関税率とは、課税価格が20万円を超える場合に適用される税率で、簡易税率とは違い数千にも及ぶ通常の品目分類から税率が決定されます。
4、税関が判定する際のポイント
決まりはないですが、次のような項目が考えられます。
1、配送先が法人名または屋号か?
2、インボイスに記載の商品価格が異常に安くないか?
3、同じ商品を繰り返し輸入した履歴があるか?
4、輸入数量が「個人で使用する分」を遥かに超えていないか?
5、特殊分野の商品で、個人が使用する可能性はあるか?
3、商用輸入とは
商用輸入とは、販売を目的とした輸入を言います。
少数、少額の輸入であっても、販売を目的としているなら商用輸入となります。
商用輸入の場合、商品価格+各種送料+オプションなどの経費+保険が課税価格となります。
個人輸入の場合は商品価格のみで、大きく違います。
税率の適用は個人輸入と同じです。
課税価格の合計額が1万円以上、20万円以下の場合:簡易税率
課税価格の合計額が20万円を超える場合:実行関税率
※自分で使ってみることを目的としたサンプルの輸入は個人輸入が認められています。
4、個人輸入と商用輸入の試算例
設定1:商品価格10000円
設定2:各種送料+オプションなどの経費+保険 = 5000円
設定3:関税率10%
個人輸入の場合
課税価格:(10,000×0.6)= 6000円
関税:6000 x 10% = 600円
商業輸入の場合
課税価格:10000 + 5000 = 15000円
関税:15000 x 10% =1500円
個人輸入と商用輸入で関税額に大きい差が出ることがわかります。
まとめ
この記事では中国からの商品輸入における「個人輸入」と「商用輸入」の違いとそれに伴う関税の計算方法について説明しました。
正しく「節税」するためには、違いをしっかり理解した上で、個人輸入と商用輸入を使い分けることが必要です。
本記事の内容はさくら代行が独自に調べて作成したものです。
必ずしも正しいとは限りません。
ご参考になれば幸いです。
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